患者の知らないインプラント秘話⑥<最近の経験事例から>

現在、国内では約30種類のインプラントシステムが存在し、それぞれ器具や術式、考え方、世界感などが異なっています。残念ながら、統一したものは存在していないので、患者さんの立場では混乱される原因となっています。また、インプラントの材質の分類からは、チタンインプラントとハイドロキシアパタイト(HA)インプラントとに大別されます。この二つは世界感が全く違い、考えも全く異なり、正反対の考えも存在しています。私は主にHAインプラントを使用していますが、HAインプラントはチタンインプラントとはインプラントに対する基本概念そのものが大きく異なっています。(私がHAインプラントを選択した理由も、その基本概念に魅力を感じたからですが、)ですのでHAインプラント使用の先生が常識だと考えられていることが、チタンインプラント使用の先生にとっては非常識となることも多々あります。また逆の事実も経験しています。この両者の相違点を説明するだけでも軽く1時間を要します。さらに困ったことには、患者さんだけではなく、インプラント知識の浅い不勉強な先生もこの事実を知らないという現実です。インプラントを扱う先生なら、両者の世界感や相違点をよく勉強された上で発言してほしいと思います。本当に困ったものです。

文書監修 岡田孝志(インプラント認定医)

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